マンナン[mannan]

  セルロースカロースが細胞膜上で合成されるのに対しマンナンはゴルジ体膜上で合成されるD-マンノースを主構成成分とする多糖である.ガラクトマンナンはGDP-マンノースからつくられるβ-1,4結合のマンノース主鎖に転移酵素によりUDP-ガラクトースからガラクトースが転移しα-1,6結合したものでマンノース/ガラクトース比は1.1~3.4ほどである.グルコマンナンは同じマンノース主鎖からGDP-グルコースからつくられるβ-1,3-あるいはβ-1,4-グルカンが分枝したものである.主鎖と分枝は同一の酵素上で合成されることが示唆されている.コンニャクイモのグルコマンナンはマンノース/グルコース比は1.6ほどであるが,植物種により2~3のものもある.多くの植物のグルコマンナンのマンノース鎖はその5~10%がアセチル化されており,ゲル化のしやすさと関係するようである.いずれのマンナンも大部分は細胞壁に存在し,炭水化物として貯蔵,発芽時の水の保持,細胞壁の強度維持など,重要な役割を担っている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:57