CH3(CH2)4CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOH. 9,12位にシス二重結合を2個もつ炭素数18のn-6系不飽和脂肪酸(18:2n-6).融点-5℃. cis,cis-1,4-ペンタジエン構造(-CH=CHCH2CH=CH-)をもち,自動酸化による過酸化反応を受けやすい.その酸化速度はモノエンであるオレイン酸の27倍, α-リノレン酸の1/2~1/3といわれる.植物細胞で膜脂質にエステル結合したオレイン酸の不飽和化によって生成し,膜脂質や貯蔵脂質に多く含まれている.一般的な植物ではα-リノレン酸の前駆体でもあるが,γ-リノレン酸に不飽和化する植物もある.動物はオレイン酸の12位には二重結合を導入することができないので,必須脂肪酸として食餌から摂取する.動物体内ではさらに不飽和化と鎖長延長を受けてアラキドン酸20:4になり,刺激によってプロスタグランジンなどに代謝されて生理作用を発揮する.