光によって誘導される現象の反応量が直線偏光の振動面の方向に依存する場合,作用二色性があるという.光受容体が細胞内で方向性をもって配向していることを示している.細胞膜などの膜系や細胞骨格など広い範囲で方向性をもった構造体に光受容体が埋没または結合していると考えられる.光受容体に含まれる発色団の遷移モーメントと平行な振動面の偏光は吸収されやすく,直交する偏光は吸収されにくいことに起因する.糸状の緑藻類ヒザオリやコケ,シダの原糸体細胞などでみられる葉緑体光定位運動や光屈性,成長促進などフィトクロム依存の現象でよく知られている.作用二色性の実験結果から, Pr型は膜に平行, Pfr型は膜と直交して配向しているといわれるが,発色団の遷移モーメントと膜がなす正確な角度は不明である.