光化学系Ⅰの鉄硫黄タンパク質[PSI iron-sulfur protein]

  光化学系Ⅰ型反応中心の特徴は電子伝達体として鉄硫黄クラスター(FX, FA, FBフェレドキシン)が働いていることである.いずれも,低い酸化還元電位をもつため,酸化剤などと反応して変性しやすく,光化学系Ⅰの失活の主要な部位となっている.これらの鉄硫黄クラスター(鉄硫黄センターともいう)をもつタンパク質を鉄硫黄タンパク質という.FX, FA, FBは4Fe-4S構造(立方体の8つの各頂点にFeとSが交互に配置された構造)をもち,各鉄原子がポリペプチド中のシステイン残基のSと配位結合することにより,光化学系Ⅰ複合体中に存在する.FX光化学系Ⅰ反応中心コアタンパク質であるPsaAとPsaB上のそれぞれ2つのシステイン残基のSと配位結合し,両者をつなげるように存在する.一方,FAとFB (FA/FBとも書く)はPsaCタンパク質上に存在する8つのシステイン残基のSと配位結合する.また,フェレドキシンは水溶性の鉄硫黄タンパク質であり, 2Fe-2S構造(正方形の4つの各頂点にFeとSが交互に配置された構造)のクラスターをもち,各鉄原子はポリペプチド上の2つのシステイン残基のSとそれぞれ配位結合している.各々の鉄硫黄タンパク質については各項目を見よ.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:33