分光蛍光計[spectrofluorometer]

  蛍光分光光度計,蛍光光度計とも呼ばれる.物質の光学特性の一つである蛍光発光やそのスペクトルなどを測定する装置.蛍光発光は本質的には時間依存の現象であるが,通常市販されている装置では時間依存の現象を解析することはできない.光合成の解析においては,色素の蛍光特性を測定することが多い.装置は,分光した励起光を供給するための励起側モノクロメーターと蛍光を分光するための蛍光側のモノクロメーターの組合せでつくられる.検出器,分光器には波長依存性があるので,得られたスペクトルは補正を施さないと正しい情報を与えないことに注意する必要がある.励起光,蛍光のそれぞれに偏光子をつければ蛍光偏光スペクトル,蛍光の偏光解消などの測定も可能である.蛍光強度は相対値として表される.絶対値が必要なときには蛍光収率(→蛍光の量子収率)が確定している試料に対する相対値として求めることができる.低温での測定にはクライオスタットを使い,温度を制御することが最もよい方法であるが,液体窒素に限定する場合は,デュワー瓶の中に試料を漬ける方法でも測定が可能である.蛍光強度,蛍光スペクトルを測定する場合は吸収とは異なり,試料の透明性が要求されないので比較的簡単に低温での測定が可能となる.(→蛍光、蛍光の偏光、蛍光寿命、蛍光の量子収率)

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:46:02