寒地植物[psychrophyte]

  寒帯地方に分布する極地植物や高山やツンドラに多く生育する植物.丈の低い草本植物や低木,コケ類,地衣類など.光合成の最適温度は低く,10~20℃程度.葉面積は小さいが葉は厚く,葉肉細胞の密度が高いので光合成速度は高い.低温であるために土壌中での有機物の分解が遅く,利用できる栄養塩が制限されることが多い.低温耐性(耐寒性,耐凍性)は高い.植物体の温度を高めるための形態的な適応もみられる.生育期間(無雪期間)が短いために,フェノロジー(開葉や開花などの季節的反応)の進行が早い.ただし,生育期間が非常に短い場合には,常緑性を示すこともある.低緯度地方の高山植物には,中緯度に多く分布するものが残存種として残されていることが多い.日本ではコケモモやチョウノスケソウが代表的.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:53