白化[chlorosis]

  組織の一部または全体が白くなること.クロロシスともいう.遺伝的な要因で生じるアルビノを含める場合もあるが,環境要因によって起こる現象のみをさす場合もある.後者は何らかの理由でクロロフィルの生合成が阻害された場合や,クロロフィルが破壊された場合に生ずる.光合成の際に,クロロフィルが捕捉する光が強すぎて強光ストレスを生じると,光化学系の反応中心が破壊されて光傷害をひき起こし,最終的には白化する.強光反応は光傷害を回避する効果がある.硫黄酸化物に代表される大気汚染物質などが気孔から吸収されてクロロフィルを破壊するケースはガス障害と呼ばれる.除草剤などの化学物質,病原性の細菌やウイルスの感染,オンシツコナジラミやシルバーリーフコナジラミなどの幼虫が葉に寄生した場合にも白化が起こる.また,土壌が強アルカリの場合や,土壌に含まれる鉄・マンガン・マグネシウムなど微量要素の欠乏あるいは過剰によってひき起こされるケースもある.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:43