膜電位感受性色素[membrane-potential sensingpigment]

  荷電部分以外は疎水性が強く非極性溶媒にも溶解する荷電をもつ色素は,膜電位の変化により膜と水溶液間の分布が変動し,吸光度や蛍光強度が変化する場合がある.このような膜電位プローブとして使用される色素としてANS(1-アニリノナフタレン-8-スルホン酸),メロシアニン系色素,オキソノール系色素などがある.これらの色素は荷電部分が膜表面の非極性相に少し入り込むことによって,その部分と外側の水溶液層との電位差を感受して分布を変化させると考えられている.なお,測定に際しては,これらの色素自身の存在が膜電位に影響を与える,色素の励起光により光合成色素も励起され光合成エネルギー変換系全体が動く,色素自身が酸化還元を受ける,色素が電子伝達系やATP合成を阻害する,などの場合があり,使用法および結果の解釈には注意が必要とされる.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:50