5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼ[5-enolpyruvylshikimate 3-phosphate synthase]

EC2.5.1.19.芳香族アミノ酸などの生合成を担うシキミ酸経路の6番目の反応を触媒する酵素.シキミ酸3リン酸の3位OH基に,ホスホエノールピルビン酸(PEP)からエノールピルビル基を転移し,5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸を生成する反応を触媒する.EPSPSと略される.PEPを利用するほとんどの酵素がPEPのP-O結合を開裂するのに対し,本酵素はPEPのC-O結合を開裂する点でユニークである.シキミ酸3リン酸との結合によりEPSPSのコンフォーメーションが大きく変化しドメイン間の活性部位が形成される.グリホサート(glyphosate; N-(phosphonomethyl)glycine)は,PEPとの競合阻害,シキミ酸3リン酸との不競合阻害により本酵素反応を阻害することから,除草剤(商標名ラウンドアップ)として広く利用される.グリホサートに対する感受性により感受性の高いクラスI(植物やE. coliなど多くの細菌)とグリホサート耐性のクラスII(Agrobacterium sp. strain CP4など)に分類される。クラスIIのEPSPS(Agrobacterium CP4)を植物で発現させることにより,グリホサート耐性を植物に付与することができる.これを利用して,ダイズやトウモロコシなどの作物にグリホサート耐性が付与され,除草剤耐性組換え作物として広く実用化されている.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:34