LH2

 LH2 light-harvesting bacteriochlorophyll-protein complex 2 の略.紅色細菌がもつアンテナ色素タンパク質複合体のうち,反応中心と結合していないタイプのものをいう.周辺アンテナ,あるいは近赤外領域の吸収波長から, B800-850複合体などとも呼ばれる. 850 nm付近の吸収帯の代わりに820あるいは830 nm付近に吸収帯をもつ場合もあり,このようなものをLH3と表現している場合もある.いくつかの結晶構造解析により,分子量4,000~6,000程度の一対の膜貫通型ポリペプチド(α,β)と3分子のバクテリオクロロフィルおよび1分子のカロテノイドから成るユニットが8~9個リング状に集合した構造が明らかにされている.特に通常850 nm付近に吸収帯をもつ16~18分子のバクテリオクロロフィルが,膜面に垂直な方向で近接してリング状に配列している.構成ポリペプチド(α,β)の遺伝子はパック(puc)オペロンに含まれているが,このオペロンが多数存在している種も少なくない.LH2をもたない紅色細菌も存在する.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:21