NAD-リンゴ酸デヒドロゲナーゼ[NAD-malate dehydrogenase]

  系統名はL-リンゴ酸:NAD+オキシドレダクターゼ(EC 1.1.1.37). L-リンゴ酸を可逆的に脱水素してオキサロ酢酸を生成する反応を可逆的に触媒する酵素.NAD+を電子受容体とする.細胞質,ミトコンドリアおよびペルオキシソームにアイソザイムとして存在する.ミトコンドリア型酵素はTCA回路において機能するとともに,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのアイソザイムと協調してミトコンドリア膜間にリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルを形成し,還元力の輸送を行う.また,各アイソザイムはミトコンドリア,ペルオキシソームおよび葉緑体の各膜と細胞質間のリンゴ酸-オキサロ酢酸シャトルに組み込まれ,還元当量輸送に関与する.葉緑体局在性の酵素は, NADP+を電子受容体とするNADP-リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.82)であり,チオレドキシンを介した光活性化調節を受ける. NAD-ME型C4植物ではミトコンドリア型, NADP-ME型C4植物では葉緑体型のリンゴ酸デヒドロゲナーゼがC4ジカルボン酸回路に組み込まれており,光による発現誘導を受ける.ベンケイソウ型有機酸代謝(CAM)経路においては,液胞に貯蔵されるリンゴ酸の生成・分解過程に関与し,塩による発現誘導を受ける.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:56