#freeze
*リスケ鉄硫黄クラスター[Rieske iron-sulfur (Fe-S) cluster] [#y804c5fa]
  [[シトクロム'''b'''&subsc(6);'''f'''複合体>シトクロムb6f複合体]]および[[光合成細菌]]の[[シトクロム'''bc'''&subsc(1);複合体>シトクロムbc1複合体]]に存在する酸化還元電位の高い二鉄-二硫黄型の[[鉄硫黄クラスター]]のことをさす,中性での酸化還元電位は+ 280 mV で,還元型はg=1.89~1.90のEPRシグナルを与える.ミトコンドリアの相同なタンパク質複合体であるシトクロム'''bc'''&subsc(1);複合体において最初にRieskeらによって記述されたことから,リスケ鉄硫黄クラスター,リスケ鉄硫黄センター,リスケクラスター,リスケセンターなどと呼ばれている.&br; 分子量約1.9万のアポリスケタンパク質が,システインとヒスチジンの二残基ずつを介して,[2Fe-2S]型の[[鉄硫黄クラスター]]に配位結合している.複合体のチラコイド膜内腔側(光合成細菌の場合は細胞質の反対側)に位置し,還元型のキノン(キノール)により一電子還元される.還元型の鉄硫黄クラスターは[[シトクロム'''f'''>シトクロムf]](光合成細菌の場合はシトクロム'''c'''&subsc(1);)を還元する.電子はシトクロム'''f'''から[[プラストシアニン]](または[[シトクロム'''c'''&subsc(6);>シトクロムc6]])を介して[[光化学系Ⅰ]]に伝達される.&br;
 シトクロム'''bc'''&subsc(1);複合体のX線結晶構造解析から,リスケタンパク質はシトクロム'''b'''のキノール結合部位とシトクロム'''f'''またはシトクロム'''c'''&subsc(1);の間を揺れ動くことで,それぞれの電子伝達経路のスイッチングを行っていることが示唆されている.キノール酸化の阻害剤であるDBMIBを添加するとEPRシグナルのg値がシフトすることから, DBMIBの結合位置がリスケ鉄硫黄クラスターのごく近傍であることが予想されていた.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[シトクロム'''b'''&subsc(6);'''f'''複合体>シトクロムb6f複合体]]


* リンク [#s59838f4]
-リスケ鉄硫黄クラスターの構造(ホウレンソウ)--http://pdbj.org/mine/summary/1rfs
-リスケ鉄硫黄クラスターの構造(ウシ)--http://pdbj.org/mine/summary/1rie

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