#freeze
*光合成の酸素阻害[inhibition of photosynthesis byoxygen] [#v3f858dc]
  酸素濃度が上昇すると光合成が阻害される現象.発見者のWarburg (1920)の名をとってワールブルク効果ともいう. [[Rubisco]] (ルビスコ)の反応中心でCO&subsc(2);とO&subsc(2);とが競合するために起こる現象である. RubiscoのCO&subsc(2);に対する親和性はO&subsc(2);に比較して高いが,大気中のCO&subsc(2);濃度が約0.03%に対して02濃度は21%であり,また葉緑体内ではCO&subsc(2);は同化されO&subsc(2);は発生しているので, Rubisoの周りではCO&subsc(2);濃度が低く,O&subsc(2);濃度は高い傾向にある.そのため大気中のO&subsc(2);濃度を2%にまで下げると,C&subsc(3);植物のCO&subsc(2);同化速度は高くなる.この場合2%O&subsc(2);を基準にすると, 21%O&subsc(2);は光合成を阻害していることになる. CO&subsc(2);濃度を高くすると,酸素による光合成阻害率は小さくなる. CO&subsc(2);濃縮機構をもつ[[C&subsc(4);植物>C4植物]]や藻類では,酸素阻害は認められない.高温になるほど酸素による光合成の阻害効果は大きくなるが,その理由は,高温下でCO&subsc(2);の溶解度がO&subsc(2);より大きく低下するためである.光合成の酸素阻害がみられるのはRubisco周辺のCO&subsc(2);濃度が低いときなので,このとき酸素阻害を取り除くためにO&subsc(2);濃度を下げると[[光傷害]]が進行する.したがって,一般に酸素濃度を下げることにより[[C&subsc(3);植物>C3植物]]の光合成を長期間増加させ続けることはできない.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[光呼吸]]

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