#freeze
*溶存無機炭素[dissolved inorganic carbon (DIC)] [#le6efa8f]
 水中に溶解した[[無機炭素]]の総称.[[二酸化炭素]]は通常,水に溶けて不揮発酸(H&subsc(2);CO&subsc(3);*=CO&subsc(2);(aq)+H&subsc(2);CO&subsc(3);となり,仮に25℃で400 ppm CO&subsc(2); を含む大気との平衡下では,最大で13~15μMのH&subsc(2);CO&subsc(3);*が存在する(→二酸化炭素). H&subsc(2);CO&subsc(3);は一部が速やかに解離して重炭酸イオンと炭酸イオンを生じる.この平衡式は次のように表される.&br; CO&subsc(2); (aq) + H&subsc(2);0⇔H&subsc(2);CO&subsc(3);⇔HCO&subsc(3);&supsc(-); + H&supsc(+);⇔CO&subsc(3);&supsc(2-); + 2H&supsc(+);各プロトン解離過程の平衡定数を左からそれぞれKH&subsc(2);CO&subsc(3);およびK&subsc(2);とすると,淡水では25℃でpKH&subsc(2);CO&subsc(3);およびp'''K'''&subsc(2);はそれぞれおよそ3.6および10.3である.炭酸の第一プロトン解離定数として一般的に使われるK1は真のH&subsc(2);CO&subsc(3);の,水和とプロトン解離反応をまとめて扱ったものであり, K1=KH&subsc(2);CO&subsc(3);/(1+K) の関係をもつ(K=[CO&subsc(2);(aq)]/[H&subsc(2);CO&subsc(3);]).淡水でp'''K'''&subsc(1);はおよそ6.4とされる.一方,海水では塩濃度の高さから25℃におけるp'''K'''&subsc(1);およびp'''K'''&subsc(2);はそれぞれ5.9および9.0程度にシフトすることが報告されている.このため,海水のDIC保持力は同じpHの淡水に比べて2倍以上高くなる.

** 関連項目 [#if72ced0]
-[[二酸化炭素]]

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