#freeze
*葉緑体の老化[chloroplast senescence] [#w5f514ff]
  葉の[[老化]]に伴って[[クロロフィルの分解]]に由来する葉の退色が起こるが,このとき葉緑体の老化が起こっていると解釈される.老化の原因としては,個々の葉の加齢によるもののみならず,栄養飢餓,光飢餓,さらには季節的なものがある.老化しつつある葉が落葉する前には葉緑体においては,光合成活動の停止,[[ラメラ]]の崩壊,[[葉緑体リボソーム]]の減少,好オスミウム酸顆粒([[プラストグロビュル]])の増加・増大,光合成装置の解体に伴うタンパク質などの高分子や[[クロロフィル]]などの低分子の分解,窒素類を含む栄養素の回収が行われる.葉緑体の老化がある程度進行するまで,葉緑体と細胞質ゾルとの間の膜構造は維持される.老化時においては[[葉緑体プロテアーゼ]]などの各種分解酵素の遺伝子発現が活性化され,このなかには[[暗誘導遺伝子]]の一部も含まれる.植物ホルモンの中には老化を促進するものと抑制するものがあり,[[エチレン]],[[アブシジン酸]],[[ジャスモン酸]]は老化を促進し,[[サイトカイニン]]には抑制効果がある.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[老化]]
-[[暗誘導遺伝子]]

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