第50回「五十の節目」

五十の節目

 3年前に誕生日を迎えて五十の大台に乗った時、自分は半世紀生きてきたのかと驚きあきれたものです。ここ十年ほど、自分ではなんとなく三十代の前半ぐらいのイメージで過ごしてきたのですが、人から見たらサバを読むにもほどがあると言われるでしょう。そのように自分は変わらないつもりでも、確実に年をとったなと気づくのは、むしろ他人を見たときです。高校生の頃、甲子園に出てくる選手を見て「同じぐらいの年のはずなのに何かおじさん臭いなあ」と思っていました。いつだったか、甲子園出場選手の誕生月の分布というのを見た覚えがありますが、4月が一番多くて、5月、6月とだんだん減って行って、3月が一番少ないという結果でした。これが本当なら、体力勝負の競技では少しでも体が成長していた方が有利だ、ということ示しているのでしょう。おそらく甲子園には、平均的な高校生よりも成長の早い選手が濃縮されているのだと思います。しかし、いま甲子園の高校野球を見て感じるのは「選手が幼いなあ」という思いです。大学でも、4月に新入生のガイダンスをすると、学生がかわいく見えます。今や、学生の年齢は自分の年齢の1/3ぐらいになりつつありますから無理もないのかもしれません。

 さて、一年余りにわたってほぼ週一で更新してきたこのコラムも、とうとう第50回の節目を迎えました。これを区切りにここでひとまず連載終了です。思い返せば「身辺雑感を」との田中会長からの依頼に答えて、ならばと「好き勝手なことを書きつづってみよう」と宣言して始めたコラムですが、本当に好き勝手なことを書いてしまいました。最初は、たまには光合成に絡めた話題にしようという多少の努力をしないでもなかったのですが、毎週1,200字程度の文章を書いているうちに、いつしか易きに流れてしまいました。しかし、各コラムのアクセス数を調べてみると、珍しく光合成を正面から扱った第5回の「明反応と暗反応」が一番多くなっています。当然、掲載期間が長い古いものほどたくさん読まれている傾向がありますが、第5回は、その次に読まれた回数の多い第1回の7割増しほどになりますから、単に古いからではなく、内容自体が来訪者の興味をひいていることがわかります。日本光合成学会というきちんとした組織のサイトのコラムとしては、もう少し光合成に近い内容にした方がよかったのかもしれません。

 とは言え、実は、第5回以外の回の読まれ方はどれも似たり寄ったりです。毎回見に来てもらえる固定読者が、おおざっぱに言って100名ほどいる感じでしょうか。日本光合成学会の会員の数は300名ほどであることを考えると、なかなかの数字です。コラムのアクセス数も、日本光合成学会のサイト全体のアクセス数の1/4弱を占めますから、連載終了後の新しいコンテンツを考えなくてはいけませんね。会長やほかの皆さまと共に知恵を絞りたいと思います。すぐには動き出さないかもしれませんが、ご期待いただければと思います。

 この一年お付き合いいただき、どうもありがとうございました。

2014.4.14(文:園池公毅/イラスト:立川有佳)
ページトップへ戻る