メバロン酸を経由するイソペンテニルピロリン酸(IPP)の合成経路.3分子のアセチル-CoAから3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoAがつくられ,NADPHにより還元されてメバロン酸になり,リン酸化されて炭素数5個のIPPになる.酵素や遺伝子はすべて判明している.これからイソプレンを構成単位とした種々の化合物が合成される.ユーグレナ植物,緑色糸状性細菌,動物,菌類,一部の真正細菌,古細菌などに存在する.陸上植物や藻類では細胞質に局在し,テルペン類やステロール,ミトコンドリアでのユビキノン合成の基質となる.一方,陸上植物や藻類の色素体には別の経路である非メバロン酸経路が局在している.例外的に,ユーグレナ植物はメバロン酸経路のみ,ある種の緑藻は非メバロン酸経路のみもつ.