膜によって隔てられた2つの溶液相の間に生じる電位差をいう.膜に存在するイオンポンプの作用で生じる.また,膜内外にイオン濃度差があるときに,そのイオンに対し膜が透過性をもつときにも生じる.光合成系の場合, ATP合成の直接の駆動力であるプロトン(H+,水素イオン)の電気化学ポテンシャル(差)は膜電位と水素イオンの化学ポテンシャル差の和として表される.イオン透過性の低い紅色細菌のクロマトフォアなどでは膜電位の寄与が大きく,電子伝達系が機能しているときは最大200 mV に及ぶことが知られている.