葉面と大気の間で交換される熱や気体の量を定式化するときに用いられるパラメータ.葉面境界層抵抗の逆数を葉面境界層のコンダクタンスと呼ぶ.葉面から大気に輸送される顕熱Hc および水蒸気量Ec は,葉面境界層抵抗ra と気孔抵抗rs を用いて次式のように表すことができる.
ここでcp は空気の定圧比熱,ρは空気密度,Tc は葉面温度,T は葉の周囲の気温。qSAT(Tc) は温度Tc における飽和比湿,q は葉の周囲の比湿である (比湿(ρw/ρ)は,空気中に含まれる水蒸気密度ρwの湿潤空気の密度ρに対する比).葉面境界層抵抗は,しばしば強制対流による抵抗ra0 と自由対流rar による抵抗の並列抵抗和であると見なされる.
自由対流による抵抗は,葉の形状や葉温と周囲の気温の差によって変化すると考えられる.強制対流による抵抗は,風速の-1/2乗にほぼ比例し,風速が強くなるほど抵抗値は小さくなる.