酸化還元反応に共役してプロトン(H+)駆動力を生じるシトクロムbc1複合体などの電子伝達系では,H+駆動力が形成されることによる電子伝達速度の抑制がみられる.これは,H+駆動力により電子伝達体の自由エネルギーレベル(酸化還元電位)が変化したことによる酸化体,還元体比の変動,電子伝達体のコンホメーション変化などによると考えられる.ミトコンドリアの呼吸調節(respiratory control)が典型的な例.