光合成電子伝達系の働きなどによる膜胞内外の水素イオンの濃度勾配変化を測定する場台,一般的にはpH電極やpH指示薬の吸光度変化や蛍光変化で外側または内側のpHを直接測定する方法が用いられる.それに対して, pH差を直接測定するのがpH差感受性色素で,膜内外のpH差によって移動したアミンの濃度差からpH差を求める方法である.9-アミノアクリジンの濃度依存的な蛍光消光を利用する方法がよく使われている.なお,pH指示薬ではブロモクレゾールパープル,ニュートラルレッドなどが用いられるが,膜のエネルギー状態変化の影響を受ける,色素自体が酸化還元される,あるいは色素がエネルギー変換系を阻害するなどの場合があり,使用に際しては注意が必要である.