組換えRubisco[recombinant Rubisco]

  Rubisco(ルビスコ)は, CO2固定反応(カルボキシラーゼ反応)の触媒中心活性の低さに加え,それと拮抗しエネルギー浪費的なO2固定反応(オキシゲナーゼ反応)を触媒してしまうため,遺伝子工学的手法による機能改変が古くから模索されてきた.紅色非硫黄細菌 Rhodospirillum rubrumシアノバクテリアSynechococcus PCC6301など真正細菌のRubiscoは,大腸菌内でそれぞれLS2およびLS8SS8複合体の機能的な組換えタンパク質として発現させることが比較的容易である(LS=大サブユニット,SS=小サブユニット).また緑藻クラミドモナスタバコにおいては,葉緑体の形質転換によりRubiscoのLS遺伝子配列を改変することが可能である.これらの手法により部位特異的アミノ酸置換を導入した改変Rubiscoの組換えタンパク質が作出されており,触媒反応機構や会合体形成など, Rubiscoの機能および構造の解析に利用されている.一方,高等植物のRubiscoは大腸菌内で発現させると不溶化し,その不溶化は植物シャペロニン遺伝子との共発現など種々の方法によっても改善には至っていない.また葉緑体ゲノムの形質転換技術を用いて, RubiscoのLS遺伝子を他生物由来の遺伝子に置換することで,改変Rubisco組換えタンパク質を植物体内で生合成させる試みが多く行われている.しかしほとんどの場合,組換えRubiscoは不溶化ないし機能低下を招くという結果が得られており,その複合体形成過程がきわめて複雑かつ生物種特異的であることを反映していると考えられている.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:36:26 (1610d)

トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS