被子植物[angiosperm]

  種子植物の中で,心皮が単一もしくは癒合して子房を作り,内部に胚珠を包んで保護するものを指す。被子植物はモクレン類,単子葉植物,真性双子葉類に大別される(APG体系)。白亜紀以後に爆発的に分化して現在の種子植物の多数種を占める。白亜紀後期に見られた植物の爆発的な生産力の増加は維管束の構造に依存するという。維管束は陸上へ進出した植物の水の輸送に重要な働きを示すと同時に,光合成産物の輸送を担う。被子植物の中でも,広葉樹のヤマグルマのように仮導管で通水を担う種もあるが,大半の種は通水を導管が担う。蒸散速度と光合成速度には正の相関があり,導管による効率的な水輸送は高い光合成を可能にする。また,光合成産物の葉緑体内の集積は光合成速度を低下させるが,それが維管束を通して速やかに運搬されることによっても光合成速度は増加する。例えば,常温ではイネ科植物の光合成産物はショ糖が優占し高二酸化炭素条件でも「負の制御」は生じにくい。これらの性質により,現在の被子植物の繁栄がもたらされたと考えられる。なお,被子植物が葉の強度を高めるために持つリグニンと虫害等への防御物質である縮合タンニンは,共にフェニルアラニンが前駆物質であり,同時に増加させることは難しいため,防御物質を局在させるなど種固有の特性を示す。


Last-modified: 2016-04-05 (火) 10:40:15 (566d)

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