psaFは一部の藻類を除いて核DNAに存在し、光化学系Ⅰ複合体の PsaFサブユニットをコードする。PsaFはチラコイド膜を1回貫通するヘリックスをもち、N末端の親水的領域は光化学系I複合体のルーメン側に存在する。緑藻クラミドモナスでは、この遺伝子を欠損させると光化学系Iへの電子供与体であるプラストシアニンからP700への電子伝達反応が遅くなることから、プラストシアニン結合領域を形成していると考えられている。しかし、シアノバクテリアではこの遺伝子を欠損させてもプラストシアニンからの電子伝達反応は影響されない。この違いは、PsaFのルーメン側の親水領域がシアノバクテリアでは小さく、プラストシアニンの結合領域を形成できないからであると考えられている。