#freeze
*アセチルCoA カルボキシラーゼ[acetyl-CoA carboxylase] [#c53b635d]
  EC 6.4.1.2. [[脂肪酸]]合成の最初の反応,アセチルCoAからマロニルCoAの生成を触媒する酵素.ビオチンカルボキシラーゼ(BC),ビオチンカルボキシルキャリヤータンパク質(BCCP),カルボキシルトランスフェラーゼ(CTα, CTβ)から成り,脂肪酸の合成を律速している.反応は下式の2段階で進行する.&br;
BCCP+HCO&subsc(3);&supsc(-);+ATP①→&supsc(-);CO&subsc(2);-BCCP+ADP+Pi&br;
&supsc(-);CO&subsc(2);-BCCP+アセチルCoA②→BCCP+マロニルCoA&br;
①ビオチンカルボキシラーゼ,②カルボキシルトランスフェラーゼ


 自然界では4種類のポリペプチド(遺伝子名:'''accA'''(CTα),'''accB'''(BCCP),'''accC'''(BC),および'''accD'''(CTβ))から成る大腸菌型酵素と,必要なドメインをすべて含む1本のポリペプチド(遺伝子名:'''ACC''')から成る動物型酵素とがある.植物では細胞質ゾルに動物型酵素が,プラスチドに大腸菌型酵素がある.細胞質ゾルの酵素は[[フラボノイド]]合成や脂肪酸鎖延長に必要なマロニルCoAを,プラスチドの酵素は脂肪酸合成に必要なマロニルCoAを供給している.これらの酵素遺伝子のうち'''accD'''だけがプラスチドゲノムにある.イネ科植物では大腸菌型酵素が欠損し,動物型酵素が細胞質ゾルとプラスチドにある.この欠損を利用した[[イネ]]科特異的除草剤がある.葉緑体の本酵素は光で活性化され,光合成と脂肪酸合成が協調するものもある.

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