#freeze
*クロマトフォア[chromatophore] [#i6fcc3fd]
  [[紅色細菌]]の細胞を破砕した際に得られる,光合成に必要な成分を多くもった膜小胞.多くの紅色細菌は嫌気状態で,細胞膜のくびれ込みに由来する細胞内膜系(intra-cytoplasmic membranes)を形成するが,ここには[[光合成反応中心]],[[アンテナ色素タンパク質複合体]],[[電子伝達系>光合成細菌の電子伝達系]]成分, [[ATP合成酵素]]などの光合成初期反応に必要な成分が多く含まれている.この膜系は細胞を破砕した際に断片化し,直径50 nm 程度の膜小胞を形成する場合が多い.光照射により電子伝達活性やATP合成活性をみることが可能であったことから,古くから光合成研究の材料として用いられてきた.小胞は細胞内では細胞質側を向いた面が外側になったいわゆる反転膜小胞が大部分である.なお,ラメラ状の細胞内膜を形成する細菌では膜断片が小胞状に閉じない場合も多く,大きさも不均一なことが多いが,このような膜標品もクロマトフォアと呼ぶことがある.

トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS