#freeze
*トリス処理[Tris treatment] [#ha007b06]
  トリスは,緩衝剤として用いられるトリスヒドロキシメチルアミノメタン(NH&subsc(2);C(CH&subsc(2);OH)&subsc(3);)をさす.山下とButler (1968)により,葉緑体を弱アルカリ性(pH 8.0~8.5)で高濃度(0.8~1.0 M)のトリスで処理すると,水分解系の[[マンガンクラスター]]が破壊され,[[酸素発生]]が失活することが見いたされた.1980年代に入って,界面活性剤処理により葉緑体から単離した[[光化学系Ⅱ標品]]を用いた実験より,トリス処理が3種の[[光化学系Ⅱ表在性タンパク質]]([[33 kDaタンパク質]]/[[24 (23) kDaタンパク質]]/[[18(16) kDaタンパク質]])の遊離をひき起こすことがわかった.トリス処理を施した葉緑体や[[光化学系Ⅱ標品]]を用いて,光化学系Ⅱの電子伝達系(特に[[チロシンZ]]や[[チロシンD]]の特性)と水分解系の再構築(=[[光活性化反応]])の機構が調べられた.トリスはアミノ基をもっているため,低濃度ではアンモニアなどと同様,S&subsc(2);状態を安定化する.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[マンガン除去]]
-[[酸素発生系]]
-[[ヒドロキシルアミン]]

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