#freeze
*日長[day length] [#a96402c7]
  一般には一日のうちの昼の長さをさすが,明暗交代サイクルにおける明期の長さをさすこともある.通常,明暗交代サイクルの周期の長さは一定(多くの場合は24時間)であるので,明期の長さと暗期の長さは独立に変化することはできない.そのため,日長条件というときには,明暗交代サイクルにおける明期と暗期の長さの組み合わせ(多くの場合は一日における昼夜の長さ)をさすことが多い.この意味で用いられる用語としては,光周期がより一般的である.&br; 太陽光にエネルギーを依存する光合成生物にとっては,一日のうちの明暗(昼夜)のサイクルに適切に反応することが適応上きわめて重要であり,光合成をはじめ様々な生理現象が明確な[[概日リズム]]を示す.日長は,地球の公転に伴い一年を周期として変化するが,温度などに比べて,その変化は規則的かつ正確である.特に,中緯度~高緯度の地域では,年間を通しての変化の幅が大きく,一日当たりの変化量も大きいため,季節の進行を知るための最も信頼できる指標となる.そのため,多くの植物種が,日長(光周期)を,成長と発生,特に[[花芽形成]]のタイミングを決める重要な環境シグナルとして用いている.日長の周期的な変化に対して生物が示すこのような反応を[[光周性]]と呼ぶ.光周性においては,光は光合成のエネルギー源としてではなく,情報源として利用されており,光情報は[[フィトクロム]]や[[クリプトクロム]]といった[[光受容体]]を介して[[概日時計]]に入力され,概日時計を用いた計時機構により日長が測定される.24時間以外の周期を用いた実験や暗期の光中断実験から,光周性において重要なのは明期の長さではなく,中断されない暗期の長さであることがわかっている.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[光合成の概日リズム]]
-[[限界暗期]]
-[[限界日長]]
-[[短日(性)植物]]
-[[長日(性)植物]]

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