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*窒素利用効率[nitrogen use efficiency] [#b8fb2f1e]
  広義には植物のパフォーマンス(成長速度や[[光合成速度]])を吸収窒素量あるいは投入窒素量当たりで表したもの.光合成系のタンパク質を生産するためには,構成元素である窒素が不可欠であるが,自然環境では植物の成長は窒素栄養に制限されることが多い.このため,自然界では窒素を効率よく利用できる植物が生存や繁殖において有利と考えられている.農業生態系でも窒素は不足しがちな元素であり、また、過度の施肥はコストの増加だけでなく環境負荷となるため、少ない施肥での効率良い成長を示す植物が理想的であると考えられている。植物がいかに効率よく窒素を利用しているかを表すために様々な窒素利用効率が定義され,使用されている.生態学では,個体あるいは集団レベルの窒素利用効率として,植物体の吸収窒素量当たりの成長量が最もふさわしいと考えられている.この窒素利用効率は,光合成における窒素利用の効率だけでなく,吸収した窒素をいかに長期間保持できるかも反映している.葉レベルでは,葉の窒素量当たりの[[光合成能力]](飽和光下での光合成速度を葉の窒素含量で除した値)が[[光合成窒素利用効率>光合成窒素利用効率(窒素利用効率)]](photo-synthetic nitrogen use efficiency,PNUE)としてよく使用される. PNUEは[[C&subsc(3);植物>C3植物]]よりも[[C&subsc(4);植物>C4植物]]で,木本より草本で,葉の寿命が長い種より短い種で高い傾向がある.農学では施肥窒素量あたりの生産量などが施肥窒素利用効率などとして使用される.

** 関連項目 [#if72ced0]
-[[コスト-ベネフィット解析]]

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