NAD-リンゴ酸酵素 の変更点

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NAD-リンゴ酸酵素[NAD-malic enzyme] 
　系統名は，リンゴ酸:NAD&supsc(+);オキシドレダクターゼ（EC 1.1.1.39．）．ミトコンドリアに局在し，[[リンゴ酸]]を酸化的に脱炭酸することで， NADHとともに[[ピルビン酸]]を供給する．これにより，[[解糖系]]からの[[ピルビン酸]]の供給なしに， [[TCA回路]]で有機酸を完全酸化することが可能になる．反応は次の通り．
&br;　リンゴ酸+NAD&supsc(+);⇔ピルビン酸+CO&subsc(2);+NADH　　
&br;　活性にMn&supsc(2+); (あるいはMg&supsc(2+);)を要求し， CoAあるいはアセチルCoA，硫酸イオン，フマル酸などにより活性化される．種により，ATPなどのアデニル酸が阻害的である場合と促進的である場合が報告されている．&br;　[[NAD-ME型C&subsc(4);植物>NAD-ME型C4植物]]および[[PEP-CK(PCK)型C&subsc(４);植物>PEP-CK(PCK)型C4植物]]では，[[維管束鞘細胞]]ミトコンドリアに高発現して，[[C&subsc(4);化合物 >C4化合物]]の[[脱炭酸酵素]]として働いている．この場合，NADHはミトコンドリアで酸化されるか，メタボライト・シャトル([[リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル]]，[[リンゴ酸-オキサロ酢酸シャトル]]，あるいは[[グリセロールリン酸往復輸送系]])で細胞質へ出される．&br;　分子量5.9万/6.2万の2種サブユニットから構成されるヘテロ四量体あるいは八量体として存在しているとされる．サブユニットの会合状態の変化あるいは金属イオンの濃度変化により活性制御されている可能性がある． NADHによる阻害の程度が他のミトコンドリアの脱水素酵素に比べ低いので， NADHレベルが高い状態でも働き，その場合特に， ATP合成にカップルしていないロテノン非感受性呼吸系や[[シアン耐性呼吸]]系へ選択的に電子を渡すことがしばしばみられる．
&br;　ヒト酵素において結晶構造が明らかにされている．http://www.rcsb.org/pdb/explore/images.do?structureId=1QR6

** 関連項目 [#if72ced0]
-[[C4ジカルボン酸回路]]