#author("2025-02-25T13:00:52+09:00","default:edit2015","edit2015") #author("2025-02-25T13:16:58+09:00","default:edit2015","edit2015") *PGR5 [PROTON GRADIENT REGULATION 5] [#mc109caa] 強光下でNPQ誘導能が低いシロイヌナズナ'''pgr5''' ('''proton gradient regulation 5''')変異体から単離,同定されたPGR5遺伝子がコードする8 kDaのチラコイド膜タンパク質.[[光化学系Ⅰ循環的電子伝達]]に関わることが提唱されているが,タンパク質としての機能は未知である.膜貫通ドメインをもたないが,チラコイド膜のストロマ側に局在する.[[PGRL1]]タンパク質の欠損により不安定化する.シロイヌナズナ'''pgr5'''変異体では,光照射下でプロトン駆動力が減少し,P700が還元する.そのため,光化学系Ⅰが光傷害を受けやすく,特に光強度の変動する環境下では,シロイヌナズナ'''pgr5'''変異体は生育できない.NDH複合体を同時に欠損すると,二重変異体は著しい生育阻害を示す.シロイヌナズナのPGR5タンパク質に1アミノ酸置換を導入すると,この植物の光合成は,アーノンの発見した光化学系Ⅰ循環的電子伝達の阻害剤であるアンチマイシンAに対して耐性を示す.PGR5は,クラミドモナスにおいても同様の機能をもつことが示されている. 強光下でNPQ誘導能が低いシロイヌナズナ'''pgr5''' ('''proton gradient regulation 5''')変異体から単離,同定された'''PGR5'''遺伝子がコードする8 kDaのチラコイド膜タンパク質.[[光化学系Ⅰ循環的電子伝達]]に関わることが提唱されているが,タンパク質としての機能は未知である.膜貫通ドメインをもたないが,チラコイド膜のストロマ側に局在する.[[PGRL1]]タンパク質の欠損により不安定化する.シロイヌナズナ'''pgr5'''変異体では,光照射下でプロトン駆動力が減少し,P700が還元する.そのため,光化学系Ⅰが光傷害を受けやすく,特に光強度の変動する環境下では,シロイヌナズナ'''pgr5'''変異体は生育できない.NDH複合体を同時に欠損すると,二重変異体は著しい生育阻害を示す.シロイヌナズナのPGR5タンパク質に1アミノ酸置換を導入すると,この植物の光合成は,アーノンの発見した光化学系Ⅰ循環的電子伝達の阻害剤であるアンチマイシンAに対して耐性を示す.PGR5は,クラミドモナスにおいても同様の機能をもつことが示されている. ** 関連項目 [#d9f46362] -[[光化学系Ⅰ循環的電子伝達]]