#author("2025-02-25T12:56:17+09:00","default:edit2015","edit2015") [[PGR5]] #author("2025-02-25T12:56:54+09:00","default:edit2015","edit2015") *PGRL1 [PGR5-like Photosynthetic Phenotype 1] [#u33c9939] シロイヌナズナ'''pgr5'''変異体と類似した表現型を示す'''pgrl1I''' ('''pgr5-like photosynthetic phenotype 1''')変異体から単離,同定された'''PGRL1'''遺伝子がコードするチラコイド膜タンパク質.シロイヌナズナでは2つのパラログ ('''PGRL1A''','''PGRL1B''')によりコードされる.しばしば,PGR5-like 1と表記されるが,アミノ酸配列は全く異なるものであり,注意が必要である.2つの膜貫通ドメインをもち,ストロマ側に6つのシステイン残基をもつ.そのうちN末側に存在する2つのシステイン残基 (Cys22,Cys123)は,PGRL1のホモダイマー形成に関わっており,さらにCys123は,チオレドキシン'''m4'''との結合に関わっている.チオレドキシン'''m4'''は,PGR5/PGRL1依存の循環的電子伝達を抑制するが,その分子機構は未知である.一方,C末側のシステインは,鉄の保持やPGR5との結合に関わっていることが示唆されているが,植物体を用いた証明はなされていない.'''pgrl1ab'''変異株の背景で,PGRL1と弱い相同性を示すPGRL2をさらに欠損させると,PGR5が一部安定化し,循環的電子伝達活性が部分的に回復することが報告された.このことから,PGRL1は循環的電子伝達に必須ではないと考えられている.安定化したPGR5が単独で循環的電子伝達に関わるメカニズムは解明されていない.一方で,クラミドモナスにおいてPGRL1は,シトクロム'''b'''&subsc(6);'''f'''複合体,光化学系Ⅰ,フェレドキシン,FNR,PetO,Anaerobic Response 1 (ANR1),Calcium Sensor (CAS)を含む循環的電子伝達を触媒する超複合体に含まれており,PGRL1と循環的電子伝達の関連が示唆されている. **関連項目 [#m2c2ba4a] -[[光化学系Ⅰ循環的電子伝達]] -[[PGR5]]