ラジカル[radical]

  不対電子をもつ分子の総称.不対電子を2個もつ分子をビラジカル(三重項状態)と呼ぶ.不対電子はスピン密度の高い原子に・をつけて示す.RS・(チイルラジカル),RC6H5O・(フェノキシラジカル)など.これらは電子常磁性共鳴により検出,定量できる.ラジカルと不対電子のない一重項分子との反応性はスピン禁制のため低いが,ラジカル相互の反応性は高い.酸素分子は基底状態でビラジカル(3O2)であるためラジカルとは反応しやすく, 活性酸素種を生成する.したがって,ラジカルの生成は活性酸素種による傷害をもたらす.除草剤のメチルビオローゲン(パラコート)は光化学系Ⅰで光還元されて安定なラジカルとなり,3O2を速やかに還元してO2-を多量に生成することによってその作用を示す.ラジカルは,光合成系においては,光化学系Ⅱ酸化側においてP680+による酸化によりチロシン残基のフェノキシラジカルが,プラストキノンの還元によりセミキノンラジカルが常に生成しているが,これらのラジカルはその短い寿命のため通常3O2と反応できず,活性酸素は生じない.


Last-modified: 2015-03-30 (月) 14:20:00 (1180d)

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