光合成の概日リズム[circadian rhythm of photosynthesis]

  概日リズムのみられる光合成反応は多岐にわたる.これまで生理学的レベルで報告されているものは,酸素発生能,電子伝達能,二酸化炭素固定CAM植物の二酸化炭素吸収と排出,葉緑体の配向運動など様々である.植物で最も普遍的にみられる概日リズムは葉の就眠運動(開閉運動)であるが,これは光合成の効率にも貢献しているといわれている.酵素活性や遺伝子発現レベルでも多くの現象が知られており,光化学系ではD1タンパク質クロロフィル結合タンパク質,炭素同化系ではCAM植物のホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼなどが代表的なものであるが,最近の研究では概日時計に制御される遺伝子ははるかに多いことがわかりつつある.
 周期の温度補償性は概日リズムの特徴であるが,一般に,概日時計の周期は様々な代謝条件の変動の影響を受けないように補償されており,周期が光合成の活性による影響を受けることは少ない.たとえば光合成量が大きく変化しても周期の変化は10%以下であることが多い.しかし,多くの場合,周期は光合成活性の高い強光下でいくぶん短くなることが多く,昼夜環境下でこの周期変化が繰り返されることが,概日時計の同調に重要であると考えられている.このような同調をパラメトリック同調といい,光合成によらない夜明けと日暮れの不連続的な光刺激による位相変位と組み合わさって確実な同調を果たしていると考えられている.


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:33:24 (1666d)

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