プレニルキノンの一種で、2,3-dimethoxy-5-methyl-6-multiprenyl-1,4-benzoquinoneであり、イソプレノイド鎖として1~10のプレニル単位数をもつユビキノンが知られている.主要なユビキノンの側鎖は8, 9, 10個からなり、各々Q-8, Q-9, Q-10と表されている。酸化型は275 nm、還元型は290 nmに吸収極大を持つスペクトルを示す.
光化学系II型(QAQB型)反応中心の非酸素発生型光合成を行う光合成細菌において、光合成電子伝達系で光化学反応中心複合体とシトクロムbc1複合体との間の電子伝達体として機能する.ユビキノンは光化学反応中心複合体に結合することにより、QBキノン受容体(QB)やQAキノン受容体(QA)としても働いている.酸素発生型光合成では、ユビキノンの代わりにプラストキノンがQA、QB、光化学系IIとシトクロムb6f複合体間の電子伝達体である.
また、呼吸鎖電子伝達系でも電子伝達体として機能しており、高等植物おける主なユビキノンはQ-10であり、マイナー成分としてQ-9が存在している.ユビキノンは複合体I(NADH-キノン酸化還元酵素)、複合体II(コハク酸脱水素酵素)、ND(II型NAD(P)H脱水素酵素)から電子を受け取り、ユビキノールへと還元され、AOX(alternative oxidase)または複合体III(シトクロムbc1複合体)に還元力を供給することで、ユビキノンへと再酸化される.