ボイセン-イェンセン[Boysen-Jensen, P.]

 Boysen-Jensen, Peter, 1883-1959.物質生産生態学の概念を創るとともに群落光合成の測定を自作の光合成装置で行い,この分野の基盤を樹立したデンマークの植物生理学者. 1902年コペンハーゲン大学に入学し,はじめは医学を学んだが植物学に転向した.1909年ライプチヒ大学のPfefferのもとに留学し,1910年帰国, 1927年コペンハーゲン大学教授となった.物質生産に関しては,純一次生産(あるいは物質生産)の概念,すなわち,“純生産=総生産-呼吸"を確立した.これを規定する要因として光環境の重要性に着目し,自作の光合成測定装置を用いて,種々の植物の葉および植物実験群落の光合成測定を行った.また,物質生産を基礎として植物地理学を議論した.オートムギの幼葉鞘を用いた光屈曲の実験で,光屈性における物質の関与を決定的なものとしたこと,海底底生生物の現存量の測定などでも知られる.著書には,『植物の物質生産(Die Staff-produktion der Pflanzen)』(1932),『成長物質説(DieWuchsstofft heorie)』(1935)などがある.


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