逆行シグナルとも言う。広義には、真核細胞内において細胞核以外の遺伝情報をもつオルガネラ(ミトコンドリア、プラスチド)が、細胞核における遺伝子発現(転写)を制御するために、オルガネラ側から細胞核へ伝えられるシグナルを指す。例えば、植物では核コードの葉緑体機能関連遺伝子の発現を、葉緑体の分化状態やストレス状態に応じて調節するために、「葉緑体シグナル」が葉緑体から核に伝達される。 この用語は、細胞核を中心としオルガネラを従属物とする考えに基づいており、核がオルガネラを制御するために送るシグナルは順行シグナル(アンテログレードシグナル、anterograde signal)と呼ばれる。