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*真正眼点藻綱 [eustigmatophyceans, eustigmatophytes] [#ead5576b]
~ [[不等毛植物]]の一群であり,真眼点藻ともいう.基本的に単細胞不動性であるが,単純な群体を形成する種もいる.緑色の側膜性[[葉緑体]]を1個〜複数もつ.[[色素体ER>葉緑体ER]]最外膜はふつう核膜と広く連続してはいない.[[チラコイド]]は整然とした3重ラメラを形成しており,ラメラ間をつなぐチラコイドはほとんど見られない.ガードルラメラを欠く.色素体[[核様体]]は散在型.クロロフィルとして,[[クロロフィル'''a'''>クロロフィルa]]のみをもつ点で不等毛植物の中で特異である(他に[[アウレアレナ藻綱>不等毛植物#Aurearenophyceae]]).[[カロテノイド]]としては[[ビオラキサンチン]],ボウケリアキサンチン(およびそのエステル),[[ゼアキサンチン]],[[アンテラキサンチン]]および[[β-カロテン]]などが報告されているが,特にビオラキサンチンが多く,この色素は光捕集に働いている.ときに突出型または埋没型の[[ピレノイド]]をもつ.
~ 細胞は[[セルロース]]性の細胞壁で覆われる.遊走子は細胞亜頂端から生じる1本または2本の鞭毛をもつ.不等毛植物に一般的な眼点–鞭毛膨潤部を欠くが,遊泳細胞頂端の細胞質基質内に色素顆粒(眼点)をもつものが多く,名前の由来となっている(他の不等毛藻では眼点は色素体内).またそれに対応して前鞭毛基部に特異な鞭毛膨潤部をもつ(他の不等毛藻では後鞭毛基部).細胞質中にはおそらく貯蔵多糖と思われる層状構造を含んだ小胞(ラメラ小胞 lamellate vesicle,光顕下では反射性顆粒 refractile granule)が多数存在する.比較的多量の[[高度不飽和脂肪酸]],特にエイコサペンタエン酸(EPA)をもつ.'''Nannochloropsis gaditana'''において核ゲノム塩基配列が報告されている.
~ 多くは淡水または陸上域に生育するが,ナンノクロロプシス('''Nannochloropsis''')のほとんどは海産種.ナンノクロロプシスは海産クロレラともよばれ(真の[[クロレラ]]とは系統的に無関係),養殖魚介類の初期餌料として広く用いられている.
~ 不等毛植物門の1綱,真正眼点藻綱(Eustigmatophyceae)に分類される.古くは[[黄緑色藻]]に分類されていた種を多く含む.また独立の門(真正眼点植物門 Eustigmatophyta)とされたこともあるが,系統的には不等毛植物内で[[黄金色藻]],[[シンクロマ藻>不等毛植物#Synchromophyceae]],[[ピコファグス>不等毛植物#Picophagea]]からなる系統群に近縁であることが示唆されている.ナンノクロロプシス,モノドプシス('''Monodopsis'''),ビスケリア('''Vischeria'''),クロロボトリス('''Chlorobotrys'''),ゴニオクロリス('''Goniochloris''')などを含む.