#freeze
*NADP-リンゴ酸酵素[NADP-malic enzyme] [#v60c7f6e]
 系統名は,リンゴ酸:NADP&supsc(+); オキシドレダクターゼ (オキザロ酢酸脱炭酸)(EC 1.1.1.40.). 次の反応を触媒する.&br; リンゴ酸+NADP&supsc(+);⇔ピルビン酸+CO&subsc(2);+NADPH&br; 一般には,細胞質に局在する酵素で,ミトコンドリアに由来する[[リンゴ酸]]を酸化的に脱炭酸することで,細胞質にNADPHを供給する.多くの植物では,これから進化したと考えられる色素体型酵素が存在し,非光合成組織の色素体に還元力や,脂肪酸合成・糖新生系への炭素源を供給している.サブユニットの分子量は約7.2万である.ヒト酵素の結晶構造が示されている.http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=3WJA &br; トウモロコシ,サトウキビなどの[[NADP-ME型C&subsc(4);植物>NADP-ME型C4植物]]では,この色素体型酵素が[[維管束鞘細胞]]葉緑体(光化学系Ⅱの活性が低く,還元力の供給が不十分である)に高発現して,[[C&subsc(4);化合物 >C4化合物]]の[[脱炭酸酵素]]として働いており,CO&subsc(2);に加え,[[還元的ペントースリン酸回路]]の作動に必要な還元力の一部を供給している.分子量約6.3万のサブユニットのホモ二量体(低活性型),あるいは四量体(高活性型)として存在する.このオリゴマー間の変換はpHに依存しているので,光照射に伴うストロマのアルカリ化に依存して活性化(四量体への変換)が起こることが示唆されている.また,この酵素の活性は, NADPHにより阻害されるので,葉緑体内のNADPH/NADP&supsc(+);比によっても調節を受けると考えられる(試験管内では還元剤がなくても活性はあるが,[[チオレドキシン]]系による還元で活性化を受ける可能性も考えられている).

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