#freeze
*Q&subsc(A);キノン電子受容体[Q&subsc(A);] [#a706b8d7]
[[光化学系Ⅱ]]の最初の安定的な電子受容体([[一次電子受容体]])で,化学的な本体は[[プラストキノン]]である.単にQ&subsc(A);と呼ばれる場合が多い. [[Q&subsc(B);キノン電子受容体>QBキノン電子受容体]](Q&subsc(B);)とは異なり,一電子酸化還元反応を行い,酸化還元電位は中性で0 mV付近である.[[光化学系Ⅱ反応中心複合体]]の[[D2タンパク質]]に結合している. [[ドイセンス]](Duysens)は,主に光化学系Ⅱに属するクロロフィルから蛍光が出されること,また光化学系Ⅱを励起する光で蛍光は強くなるが,光化学系Ⅰを励起する光を照射すると蛍光が弱くなることを見いだした.彼は光化学系Ⅱの還元側に“Q"という電子伝達成分を仮定し,光化学系Ⅱのクロロフィルから発光される蛍光は酸化型のQにより消光(quench)されるが,還元型では消光されないとする, Q (quencher)仮説でこの現象を説明した.その後Qは2種類存在することが明らかになり,最初の安定な電子受容体はQ&subsc(A);,2番目の電子受容体はQ&subsc(B);と呼ばれるようになった. Q&subsc(A);, Q&subsc(B);は紅色細菌などの光合成反応中心にも存在し,同様の機能を果たしている(Q&subsc(A);Q&subsc(B);型反応中心). この場合,Q&subsc(A);は反応中心を構成するL, M, Hサブユニットのうち,Mサブユニットに結合しており,化学的な本体は'''Rhodopseudomonas viridis'''においては[[メナキノン]]であり,Rhodobacter sphaeroidesでは[[ユビキノン]]である
** 関連項目 [#if72ced0]
-[[QBキノン電子受容体]]
-[[光合成電子伝達系]]