#author("2024-11-26T17:30:06+09:00","default:edit2015","edit2015") *VIPP1[Vesicle Inducing Protein in Plastid 1] [#f9c90613] #author("2024-11-26T17:31:27+09:00","default:edit2015","edit2015") *VIPP1 [Vesicle Inducing Protein in Plastid 1] [#f9c90613] VIPP1 (Vesicle Inducing Protein in Plastid 1)は[[チラコイド膜]]の形成と維持に必要とされる主要な膜リモデリング分子で,光合成生物に普遍的に存在する.分子量は約32kDでαヘリックス構造を多くもち,膜貫通領域をもたないが,[[葉緑体]]では内包膜とチラコイド膜に結合することで2 MD以上の大きな複合体を形成する.シロイヌナズナではVIPP1をコードする遺伝子の欠損は致死となり,チラコイド膜が形成されず,包膜の維持にも異常が検出される.シアノバクテリアVIPP1ではリング構造をとるホモオリゴマーの構造が決定され,リングの内側に膜を結合させて湾曲させるはたらきや,in vitroで膜状に自己会合する性質が報告されている.VIPP1モノマーのフォールディングは,細胞質での多様な膜機能に関わるESCRT-IIIタンパク質,バクテリアで膜ストレス応答に関わるPspAタンパク質と類似しており,それらの構造と機能の共通性から,共通の祖先をもつ膜リモデリング分子に由来するESCRT-III/PspA/VIPP1タンパク質ファミリーの存在が認識されている. ** 関連項目 [#r867cf3d] -[[CURT1]]