オパーリン[Oparin, A. I.]

  Oparin, AleksandrIvanovich, 1894-1980.日ソビエト連邦の生化学者.モスクワ大学教授,バッハ記念生化学研究所所長などとして同国の酵素化学,食品工学における指導的地位を占めた.一連の物理化学的過程によって地球上に生命が誕生し,現在の状態に至ったという道筋を示す『生命の起源』(1936)にははじめ反論もあったが,現在大筋では広く認められている.この考えでは,地球生成の初期の還元状態の中で簡単な有機物が生成し,それらから生体を構成する複雑な有機化合物が合成されてきたという.有機高分子の生成と結合によって多分子系や粒子系が生まれ,それらが存続,増殖,進化を経て生物が生まれてきたと考えている.原始的な生物は嫌気性の従属栄養生物で,その後光合成生物や好気性の従属栄養生物が生じたとしている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:46:09