クロロフィルbの合成酵素.遺伝子名CAO.二鉄二硫黄型リスケ鉄硫黄クラスターと非ヘム鉄をもつオキシゲナーゼ.クロロフィルaの前駆体であるクロロフィリドaのC7のメチル基に酸素を添加し,7-ヒドロキシメチルクロロフィリドに転換したのち,もう一度酸素添加反応を行い,ホルミル基をもつクロロフィリドbを合成する.反応には分子状酸素とNADPH,フェレドキシンが必要.クロロフィルb合成には他の迂回経路はなく,原核緑藻や緑藻,陸上植物などにみられるすべてのクロロフィルbはこの酵素で合成される.このため,この遺伝子に変異をもつ株では,クロロフィルbが減少もしくは欠損する.緑藻や陸上植物では, CAOは核ゲノムに存在し,翻訳後葉緑体に移行する.クロロフィルa/b比と光合成の集光装置の大きさはCAOの発現によって調節され, CAOの発現は光強度によって制御される.