H2O2による基質酸化産物の合成を主な生理的機能とする生合成-ペルオキシダーゼで,主な基質(電子供与体, AH2)は芳香族フェノールである.グアヤコールを基質として活性測定(480nm吸光度増加)するためこの名がある.分子量は約33 kDa, ヘムを反応中心とする糖タンパク質で,H2O2消去のためのアスコルビン酸ペルキオシダーゼとはアミノ酸配列が異なり, Cysの8残基はすべてジスルフィド結合しチオール基をもたない.酵素はH2O2と反応して二電子酸化された化合物Ⅰとなり,これがAH2を2回,一電子酸化し2分子のAH(ラジカル)を最初に生成する.光合成組織,非光合成組織ともに存在し,空胞,原形質,細胞壁,アポプラストに局在するが,葉緑体には存在しない.リグニン合成,インドール酢酸分解,傷害組織の治癒,病原菌エリシターで誘導される活性酸素種生成など多様な生理機能をもち,局在性,生理機能の異なる多くのアイソフォームが存在する.