ステロール[sterol]

  ステロイド類の一種.ステロイド類はシクロペンタノフェナントレン環を骨格としてもつ化合物の総称で,そのうち炭素数が27~30で3位にヒドロキシ基をもつものをステロールという,動物細胞では炭素数27のコレステロールが最も含量が高いが,植物では種や組織の違いにより,様々なタイプのステロールが存在し,これらはフィトステロールと総称されている.高等植物に主要なステロールとしてシトステロール,カンペステロール,スチグマステロールがあり,また組織によってはそれらの配糖体も多量に存在する.植物ホルモンであるブラシノステロイドはカンベステロールを前駆体として合成される.植物におけるステロールの合成はメバロン酸経路により行われる.すなわち,アセチルCoAを出発物質として,細胞質(小胞体膜)に存在するHMG-CoAシンターゼとHMG-CoAレダクターゼの作用によりメバロン酸が生成され,さらにメバロン酸から生成されるイソペンテニル二リン酸(IPP)の連続的な重合反応によりスクアレンが生成し,さらにその環化反応によりシクロアルテノールが最初に合成される.シロイヌナズナでステロール合成系の変異株が多数とられており,それらの一部はプラシノステロイド欠損変異株と同様な表現型を示すが,生合成の初期段階のものはプラシノステロイドの欠損だけでは説明できない異常な表現型を示す.このことから,ステロールにはプラシノステロイドの前駆体としての機能だけでなく,それ自身に重要な生理機能があると考えられる.

sterol.png

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:48