ドイセンス[Duysens, L. N. M.]

  Duysens, LouisNico Marie, 1921-.オランダの生物物理学者で,光合成における色素分子と電子伝達成分の機能的な結びつきについて先駆的な業績をあげた.アンテナ色素から反応中心への励起エネルギー移動を多くの光合成系において初めて定量的に解析し(1951-52),また微小な吸光度の変化を測ることができる分光光度計をつくり,反応中心クロロフィルの酸化に伴う吸収スペクトル変化を見いだした(1959).さらに,光化学系ⅠとⅡを結ぶ電子伝達鎖の上にあるシトクロムが光化学系Ⅰを励起すると酸化され,光化学系Ⅱを励起すると還元されることを発見し,1962年に発表した.2種の光化学系が存在していて,直列に並んで光合成の電子伝達系を構成していることは種々の生理学的解析から推定されていたが,その働き方を直接明らかに示したのはドイセンスが初めてである.彼はまた,反応中心Ⅱの電子受容体の酸化還元レベルによって光化学系Ⅱのクロロフィルからの蛍光の収率が決まることを見いだした(1963).


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:04