ペントースリン酸回路[pentose phosphate pathway]

  いわゆる解糖系(エムデン・マイヤーホフ経路)とは別のグルコース代謝経路で,ワールブルク・ディケンズ経路,あるいは光合成の還元的ペントースリン酸回路と区別して酸化的ペントースリン酸回路とも呼ばれる.動物,植物,微生物に広く分布し,細胞質可溶性画分に局在.植物の葉緑体にも存在し,夜間のグルコース代謝に関与するともいわれる.本経路は8種類の酵素と解糖系の酵素の一部で構成され,次の2段階に大別される.(1)グルコース6-リン酸(G6P)を酸化的に脱炭酸し,ペントースリン酸の一つであるリブロース5-リン酸とNADPHを生じる事実上不可逆的な反応過程, (2)ペントースから各種のトリオース,ヘプトース,テトロース,ヘキソースのリン酸エステルに相互転換する可逆的な反応過程.第2段階の反応によってG6Pが一部再生され回路が閉じる.生理的には,この回路によって,1分子のG6Pを分解して6分子のCO2と12分子のNADPHを生成することになる.葉緑体のG6Pデヒドロゲナーゼは昼間は不活化される.本経路は,非光合成組織や夜間の葉組織などにおいては,脂肪酸その他多くの生体成分の生合成に必要なNADPHを供給し,さらに核酸の生合成に必須のリボース5-リン酸を供給する役割をもつ.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:46:01