光源[light source]

  光合成研究では植物の育成から光化学反応追跡のための分光光源まで幅広い光源が用いられる.植物育成用および一般的な励起光源としては白熱電球,ハロゲンランプ,蛍光ランプ,キセノンランプ,水銀ランプなどが目的に応じて使用されている.金属ハロゲン化物として他の金属を水銀放電中に加え安定性と効率をあげ,太陽光に近いスペクトルを得ることも可能なメタルハライドランプもよく用いられている.また,近年,高輝度な発光ダイオード(LED)が比較的安価に手に入るようになり生育用の光源として用いられ始めている.LEDは基本的には単色であるため,必要に応じて各色を組み合わせて用いる必要があるが,容易に様々な周波数の短パルス光を得ることができるため,パルス光による生育研究などに用いるには最適な光源である.いずれの光源も一般分光用光源としても汎用されている.特にLEDはパルス変調法による蛍光測定(PAM蛍光法)や光吸収変化測定の光源として重要である.反応中心を一回励起する目的や高速光化学反応を追跡する目的ではフラッシュ光源が使用される.パルス幅がサブミクロ秒までは,光源として放電管が多く用いられる.サブナノ秒のパルス幅をもつ放電管もある.ナノ秒以下のパルス幅ではパルスレーザーが光源として用いられる.現在ではフェムト秒領域のレーザー光源も市販されており,比較的容易に使用することが可能となっている.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:51