植物とシアノバクテリアの膜複合体間で酸化還元力を運ぶプラストキノンを呼ぶ.チラコイド膜では光化学系Ⅱ当たり約10分子程度のプラストキノン分子が存在し,光化学系Ⅱより電子を受け取っている.プラストキノンプール量の測定はクロロフィル蛍光の誘導期現象を利用することが多い. QAキノン電子受容体(QA)還元に必要な光量子数を,QAから酸化型プラストキノンプールヘの電子伝達を阻害するDCMU存在下での値を1として比べることで,プールサイズを求められる.またDCMUで光化学系Ⅱからの電子供給を止めたときのP700の光酸化に必要な光量子数から光化学系Ⅰへ電子を供給する還元型プラストキノンプールサイズを決められる.プールの還元に伴い集光性クロロフィルa/bタンパク質(LHCII)がリン酸化され,光化学系ⅡからⅠへの励起エネルギー分配が増え光化学系Ⅱのクロロフィル蛍光強度が減少することが知られている.