リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)は,還元的ペントースリン酸回路でのRubisco (ルビスコ)の基質であり, RubiscoによるCO2固定(光合成)のためには再生されなければならない. RuBPの再生産は酵素反応により行われる.還元的ペントースリン酸回路が機能するためには,葉緑体チラコイド膜の光合成電子伝達系で生成するNADPHおよびATPの供給が必要である.したがって, RuBPの再生産速度は,葉緑体への光の供給に依存し,光強度が大きいほどその速度は大きくなる.光が飽和していない条件下では,C3植物およびC4植物のRuBP再生産速度は光合成を律速する主要因の一つとなる.そのために,光合成電子伝達系が環境ストレスによりその機能を失うと,光合成速度が低下する一因となる.